マイク・ラインケーブル TPS 7182 / 7222の高音質を構成する2つの要素とは

TPS 7182 / 7222を導入された方々から、思わず「なんでこんないい音するんですか?」とご質問を頂く機会が非常に多いです。大抵の場合、一般的なSM58を使用し、ワンツーの声をヘッドフォンでチェックされる場合が多いのですが、マイクを繋いだ瞬間、まだ声を出す前にマイクに入ってくる「周囲の音」の空気感で、その解像度に驚いていただく事もございます。
そこで今回は、TPSシリーズの高音質を構成する「2つの要素」について、お話させて頂きます。

【TPS7182 / 7222の音を構成する2つの要素】

その1 高品質な自社製導体を使用

TPS7222では6.90Ω/100m@20℃、TPS7182では驚異の2.64Ω/100m@20℃ と、既存製品を遥かに凌ぐローインピーダンスの導体が、TPS7182 / 7222に高解像度サウンドをもたらす大きな要素となっております。
実は弊社のように、導体を自社生産しているメーカーは、国内では少数派になります。多くの国内ケーブルメーカーは、既に線引きされた銅線を外部より仕入れする場合が多数を占めます。


また、導体を構成する線の本数や編み込みトルクなどでもスペックは大きく変わります。
TPSシリーズは、自社生産の高品位な0.18Aの太さの銅線を共通して使用。TPS 7222は12本、TPS7182は30本を用いて構成された導体が、今まで以上に濃密な情報を伝送することを可能にしました。

 

 

その2 徹底したヒットノイズ・スクラッチノイズ対策

TPS7182 / 7222開発の段階で、我々は大きな問題に直面しました。それは導体のインピーダンスが下がると情報量は増えるのですが、その弊害として外部の振動や衝撃に敏感になり、不要なノイズを発音してしまうということでした。


ステージに引かれたマイク・ラインケーブルは、音を伝えるだけでなく、微細な音を発音しております。例えば、床に這わせたケーブルは、大音量で揺れるステージの振動を拾ってしまい、大きな波の低域を発しています。また、ライザーに組まれたドラムセットに対し、各マイクはクリップ型のフォルダーで固定される事が多いので、ドラムの各マイクに繋がれたケーブルは、絶えずユラユラと動いております。

また音楽以外の現場、例えば野外での撮影やスタジオでのドラマ収録などでは、撮影や収音は一箇所に留まることは少なく、移動しているケースがほとんどになります。その撮影の移動の際、マイクケーブルも一緒に引きづられ、マイクからの音声と共に、低域のノイズも録音されてしまいます。

現場の声を重要視した、最終調整

 

上記のように、外部からの刺激によるノイズを抑えることは、既存のケーブルから大きくクオリティを上げる為に、挑戦しなければならない大きな課題でした。

導体のスペックは維持したい。
その為には外からの衝撃をシャットアウトしたい。
しかしケーブルの外径は現場で扱いやすい常識的なサイズにしなければならない。
屈伸性を含めた扱いやすさも重要視しなければならない。

そのような限られた条件の中、緩衝材として使用する糸や紙の種類だけでなく、編み込みのトルク設定もテストを繰り返しました。また組み上がったTPS7182 / 7222のサンプルは、PAエンジニアの方々にご協力頂き、実際にステージでテストを繰り返しました。そうして多くの時間を費やし、ご協力頂いたエンジニアの方々の知識・技術そして経験を集めることで、製品としてベストな組み合わせを見つける事が出来ました。
ご協力いただきました皆様へ、本当に有難うございました。

TPSシリーズ各製品のクオリティは、図面に描いた材料をセオリー通りに組み込む事だけでは、決して得られませんでした。
現場に赴き、改善点を探り、そして技術者の皆様とディスカッションしながら「真に使える道具」を目指して完成しました。

エンターテイメントには厳しい昨今ですが、皆様の未来に向けて、私たちのケーブルがお役に立てることを願っております。
TPS7182 / 7222等、製品の体験テストや技術的なプレゼンテーションをご希望の方は、リンク先フォームよりお気軽にご連絡ください。

 

 

関連記事一覧